どんな職業か
薬学の専門家として、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行う。 最も代表的な仕事は「調剤」であり、医師が出した処方を確認して正確に薬を調合する。また、処方された薬の副作用や、併用薬との相互作用などについて、患者の体質やアレルギー歴などと照らし合わせ、問題なく服用できるかを確認する。 個々の患者に合わせて、薬の効果や服用方法をわかりやすく説明する「服薬指導」も重要である。 病院では、医薬品の在庫管理・記録を行うほか、病院と密接に連携し、患者の体調変化を評価して薬の量の変更を医師に提案したり、薬剤師外来で副作用管理のための服薬指導なども行う。 病院や薬局以外では、製薬会社の社員として新しい薬の開発や実験を担当したり、薬の製造工程を管理したり、医療機関に自社製品の学術情報などを提供するMR(医薬情報担当者)とよばれる仕事に従事したり、国や都道府県の職員として、薬事関係の許認可や監視指導、食品や飲料水の検査・分析業務などを行う人もいる。 薬剤師法では薬剤師の任務は、「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」とされている。 なお、近年では「かかりつけ薬剤師」が普及しており、個人の薬の重複や飲み合わせ、処方内容の確認や薬に関する相談業務など患者の安全性や薬剤の有効性の向上につながる取組を行っている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン、レジ(小売店、レストラン等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 4.8 | 128 / 498 | 上位26% |
| 読解力 | 4.3 | 157 / 498 | 上位32% |
| 説明力 | 4 | 233 / 498 | 上位47% |
| 指導 | 3.9 | 153 / 498 | 上位31% |
| 他者の反応の理解 | 3.9 | 144 / 498 | 上位29% |
| 新しい情報の応用力 | 3.8 | 126 / 498 | 上位25% |
| 文章力 | 3.7 | 234 / 498 | 上位47% |
| 論理と推論(批判的思考) | 3.6 | 140 / 498 | 上位28% |
| 他者との調整 | 3.6 | 218 / 498 | 上位44% |
| 説得 | 3.6 | 202 / 498 | 上位41% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.1 | 17 / 508 | 上位3% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.7 | 129 / 508 | 上位25% |
| 生物学 | 2.5 | 18 / 508 | 上位4% |
| 化学 | 2.5 | 19 / 508 | 上位4% |
| セラピーとカウンセリング | 2.4 | 41 / 508 | 上位8% |
| 心理学 | 2.2 | 57 / 508 | 上位11% |
| 事務処理 | 2.0 | 219 / 508 | 上位43% |
| コミュニケーションとメディア | 1.9 | 101 / 508 | 上位20% |
| 教育訓練 | 1.8 | 96 / 508 | 上位19% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.8 | 174 / 508 | 上位34% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話表現 | 3.4 | 98 / 426 | 上位23% |
| 発話理解 | 3.2 | 115 / 426 | 上位27% |
| トラブルの察知 | 3.2 | 277 / 426 | 上位65% |
| 記述表現 | 3.2 | 144 / 426 | 上位34% |
| 記述理解 | 3.1 | 155 / 426 | 上位36% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.0 | 120 / 426 | 上位28% |
| 記憶力 | 2.9 | 120 / 426 | 上位28% |
| マルチタスク | 2.9 | 165 / 426 | 上位39% |
| 色の違いを見分ける力 | 2.8 | 90 / 426 | 上位21% |
| 発話明瞭性 | 2.8 | 81 / 426 | 上位19% |
仕事内容
- 薬学の専門家として病院やクリニック、薬局で薬を調合し、患者への服薬の指導や管理をする。
- 処方箋の内容確認を行い、疑問があれば医師に問い合わせを行う。
- 処方箋に基づいて薬品の計量・計測・混合をする。
- 処方箋に基づいて薬品の包装やラベルの貼付をする。
- 薬品の相互作用・副作用・服用量、取り扱いや保管などについて、患者からの質問に答える。
- 患者への投薬状況を記録し、相互作用などのチェックをする。
- 規定に従って薬品の安全管理と品質保持、廃棄を行う。
- 医薬品の安全性情報、適正使用情報を収集、評価、分析し、安全性を確認する。
- 患者の服薬コンプライアンス、アドヒアランスを確認し、必要な指導をする。
- 医師や看護師に対して薬品の用途や特徴、副作用・治療効果に関する情報を提供する。
- 薬事関係の許認可手続きや監視指導をする。
- 治療薬および診断検査薬の開発や実験、製造工程の管理をする
- 医療用麻薬や、麻薬の原料となり得る薬を適切に管理する。
- OTC医薬品(一般用医薬品と要指導医薬品)について患者に説明し、販売する。
- 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)として感染症治療を支援する。
なるには
薬剤師国家試験に合格すると、申請により厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられる。受験資格は原則として6年制学部・学科の薬学課程を卒業した人に限られるので、これらの大学に進学することが必要である。学生は、病院及び薬局の現場でそれぞれ11週間ずつ実務実習が義務づけられている。 医薬の分野は、新製品の開発や技術進歩のスピードが速いので、常に薬に関する最新の情報を収集し、身につけることが重要である。また、病院や薬局などでは、患者や消費者に円滑に応対しながら薬の使用について的確な判断を行い、必要な情報を提供する能力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.9 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.3 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| わからない | 0.0 |
| 専門学校卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0.0 |
関連する資格
- 薬剤師
給料
賃金構造基本統計調査では「薬剤師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 417.5千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 768.7千円 |
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 平均勤続年数 | 7.9年 |
| 労働者数 | 10,783人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤374.8千円
- ≤399.5千円
- ≤423.2千円
- ≤442.1千円
- ≤479.6千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
職場としては、薬局や医療機関、製薬企業、国や都道府県などの行政機関、大学などがある。全国の届出薬剤師数は32万3690人であり、このうち女性は19万9507人(全体の61.6%)を占める。 主に従事している施設をみると、薬局が全体の58.9%、医療施設19.3%、医薬品関連企業11.5%、衛生行政機関または保健衛生施設2.1%、大学1.5%等となっている(2022年時点*)。このうち、薬局と医療施設の従事者の年次推移を比較すると、近年、薬局は大幅に増加しており、医療施設においても増加傾向がみられる。 就業時間は異なるが、薬剤師の多くが勤務する薬局では各店舗の営業時間に準じて勤務する。調剤薬局の場合では、近隣の病院の繁閑状況に応じて繁忙度合が異なるが、比較的通院者の多い午前中が忙しくなるケースが多い。一方で、医療機関では、入院患者への点滴等の対応等休日でも必要に迫られるため、病院によっては夜勤や休日出勤をすることもある。 薬局は従来からの調剤薬局に加え、チェーン展開しているドラックストアもある。ドラックストアでは調剤業務、市販薬の販売のみならず店舗で扱っている多様な生活雑貨等の販売を担う場合もある。 また、近年は高齢者人口の増加に伴い在宅訪問などの需要も高まっている。 *厚生労働省、令和4年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 細胞検査士近さ 0.701
- 臨床検査技師近さ 0.629
- 視能訓練士近さ 0.618
- 内科医近さ 0.590
- 看護師近さ 0.583
- 臨床工学技士近さ 0.546
- 診療放射線技師近さ 0.531
- 獣医師近さ 0.525
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)