どんな職業か
ことばによるコミュニケーションや嚥下(えんげ)に困難を抱える人を対象に、問題の程度、発生のメカニズムを評価しその結果に基づいて訓練、指導等を行う。 ことばによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐にわたる。摂食・嚥下障害にも対応する。言語聴覚士は医師又は歯科医師の指示の下に問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施する。また、リハビリテーションの目標、及び訓練プログラムに係る実施計画を作成し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行う。 例えば、失語症に対しては、まず言語機能評価を行い、問題の特性を明らかにする。その上で、訓練目標を設定し、その人に合わせた訓練プログラムを立てる。訓練は、主に絵カードや文字カードを用いて行われる。また、ことばの発達の遅れに対しては、発達水準に応じた支援を行う。発音の誤りには、口の運動や正しい音を作る訓練等を実施する。これらの活動は医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療専門職、ケースワーカー・介護福祉士・介護支援専門員などの保健・福祉専門職、教師、心理専門職などの他職種と連携し、チームの一員として行う。小児から高齢者まで幅広い年齢層を支援する。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン、医療機器
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.8 | 14 / 498 | 上位3% |
| 読解力 | 5.3 | 31 / 498 | 上位6% |
| 他者の反応の理解 | 5.3 | 11 / 498 | 上位2% |
| 説明力 | 5.1 | 45 / 498 | 上位9% |
| 文章力 | 5 | 49 / 498 | 上位10% |
| 指導 | 4.7 | 37 / 498 | 上位7% |
| 他者との調整 | 4.6 | 40 / 498 | 上位8% |
| 対人援助サービス | 4.6 | 24 / 498 | 上位5% |
| 学習方法の選択・実践 | 4.6 | 10 / 498 | 上位2% |
| 継続的観察と評価 | 4.6 | 21 / 498 | 上位4% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.2 | 14 / 508 | 上位3% |
| セラピーとカウンセリング | 3.9 | 5 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 3.2 | 13 / 508 | 上位3% |
| 教育訓練 | 3.0 | 14 / 508 | 上位3% |
| 日本語の語彙・文法 | 3.0 | 32 / 508 | 上位6% |
| 社会学 | 2.3 | 25 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.3 | 184 / 508 | 上位36% |
| 事務処理 | 2.1 | 198 / 508 | 上位39% |
| コミュニケーションとメディア | 1.7 | 153 / 508 | 上位30% |
| 生物学 | 1.5 | 71 / 508 | 上位14% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話表現 | 4.1 | 7 / 426 | 上位2% |
| 発話理解 | 4.0 | 8 / 426 | 上位2% |
| 発話明瞭性 | 4.0 | 1 / 426 | 上位1% |
| 記述表現 | 3.9 | 13 / 426 | 上位3% |
| 記述理解 | 3.9 | 14 / 426 | 上位3% |
| トラブルの察知 | 3.8 | 28 / 426 | 上位7% |
| マルチタスク | 3.8 | 3 / 426 | 上位1% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.5 | 10 / 426 | 上位2% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 3.5 | 4 / 426 | 上位1% |
| 聴覚の感度 | 3.4 | 5 / 426 | 上位1% |
仕事内容
- 言葉によるコミュニケーションに問題がある人の回復を図るため、検査・評価により対処方法を見出し必要な訓練や援助を行う。
- 言語障害や失語などの患者の状態を問診や様々な検査によって調べ、程度や問題点を明らかにする。
- 検査結果をもとに医師などと検討を行い、治療の方針や訓練の方法を決定する。
- 障害の種類や程度に応じて道具などを使用して訓練をする。
- 補聴器や点字器など言語聴覚機能を補うための代用機器を用いた訓練をする。
- 音声言語の訓練(構音訓練)をする。
- 補聴器などの補助器具の使用を指導する。
- 家族からの相談を受け、障害者が日常生活に適応できるように助言をする。
- 摂食・嚥下障害をもつ患者に対して問診や検査により障害の状態を調べ、程度を明らかにする。
- 摂食・嚥下障害の程度に応じて訓練を行い、食事内容に応じて適切な食事方法を指導する。
- 患者の口腔内環境を改善する。
- 認知症の患者に対して訓練をする。
- 高次脳機能障害をもつ患者に訓練や就労支援をする。
- 小児の言語発達を支援する。
- 地域の施設を訪問し、食形態やコミュニケーションのとり方などについて職員にアドバイスする。
- 患者の居宅を訪問し、在宅生活を支援する。
- 学校や職場への説明を通して、ハンディキャップを減らすように物的・人的な環境整備を働きかける。
- プログラムの実施状況や障害の改善状況を記録し、管理する。
- 他のスタッフや学生に指導する。
なるには
言語聴覚士になるためには国家試験に合格しなければならない。高校卒業者の場合、文部科学大臣が指定した大学(3~4年制の大学・短大)、又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成校(3~4年制の専修学校)に入学し、必要な知識及び技能を修得、卒業することが条件となる。一般4年制大学卒業者の場合、指定された大学・大学院の専攻科若しくは2年制の専修学校において必要な知識及び技能を習得して卒業する必要がある。この他、言語聴覚士の養成にかかわる一定基準の科目を習得している場合は、指定校で1年間知識と技能を習得することで国家試験を受けることができる。また、外国の大学などで言語聴覚に関する学業を修めた場合は、厚生労働大臣に書類を提出し、認定を受ければ受験資格を得ることができる。国家資格は毎年1600人から2000人程度が合格する。累計の有資格者数は2024年3月に4万人を超えている。(2025年時点*) 言語聴覚士の養成教育では、人間の言語・コミュニケーション行動を支える学科などの基礎科目及び専門科目を学び、更に、病院、リハビリテーションセンター、小児の療育施設などで臨床実習を行い、言語聴覚障害がある人を支援するために必要な知識・技術・倫理を習得する。言語聴覚士には、知識や技術にとどまらず、言葉で意思を表現したくてもできにくい人々の思いを受け止め、上手に引き出す力が求められる。 *一般社団法人日本言語聴覚士協会HP
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| 専門学校卒 | 0.5 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| わからない | 0.0 |
| 高専卒 | 0.0 |
関連する資格
- 言語聴覚士
給料
賃金構造基本統計調査では「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には4の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 300.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 714.4千円 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 平均勤続年数 | 7.4年 |
| 労働者数 | 25,569人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤282.8千円
- ≤293.3千円
- ≤303.3千円
- ≤314.2千円
- ≤325.5千円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
言語聴覚士が主に働く職場は、医療、介護、福祉分野の現場である。これを施設種類別にみると医療機関が全体の6割を占め、これに加えて介護施設、福祉施設、あるいは医療機関を含めた複合施設で大半となる(2025年時点*)。 就業者のうち、女性が76.6%を占めている。また年齢層としては30代および40代が全体の64.3%を占めている(2025年3月末時点*)。 病気やけがの場合は早期(急性期)から回復期、維持期という幅広い時期に言語聴覚士がかかわり、質の高い支援を提供することが求められている。幼児や小児など発達等に伴う場合は、文字や絵を使用して言葉を引き出す、言葉のみならず身振り手振りを使う練習や、吃音(きつおん)となる場合には口などの体操や言葉を繰り返し練習するなどして対応する。また、保育園や幼稚園、学校などの教育施設を訪問して、その家族への支援を行うほか、施設の担当者へのアドバイスも実施する。 *一般社団法人日本言語聴覚士協会HP
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 養護教諭近さ 0.835
- 作業療法士(OT)近さ 0.830
- 法務技官(心理)(矯正心理専門職)近さ 0.825
- 助産師近さ 0.806
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.793
- 理学療法士(PT)近さ 0.786
- 老人福祉施設生活相談員近さ 0.775
- 家庭裁判所調査官近さ 0.768
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)