どんな職業か
理学療法士は身体に障害がある人等の身体運動機能の回復や維持・向上を図り自立した日常生活が送れるよう、医師の指示の下、運動の指導や物理療法を行う医療技術者である。PT(Physical Therapist)とも呼ばれる。 理学療法は、脳性マヒ、事故や病気による障害、脳卒中後遺症や老化による障害など、幼年期から老年期にわたるさまざまな障害を対象にしている。理学療法士は、医師から依頼された理学療法の内容を点検し、注意する点や行ってはいけない動作を考えたうえで、患者の筋力などを検査する。その結果をもとに患者の障害の状況を評価し、他の診療部門からの情報も加えて理学療法の目標を立て、そのための具体的方法・手順などのプログラムを作成する。 理学療法の中心は運動療法である。理学療法士は身体機能回復のための関節可動域練習、筋力増強練習、神経筋促通運動、歩行動作などの日常生活動作練習を通じて、自立した生活ができるように指導する。温熱を利用したり、電気刺激や超音波などの物理療法を行うこともある。 患者それぞれの状態にあわせて最適な運動・訓練を行い、身体運動機能の回復を援助して自立を促すのが、理学療法士の役割である。 また、障害のある人だけではなく、予防やスポーツのパフォーマンス向上など、健康な人に対しても理学療法士の仕事が広がっている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.0 | 96 / 498 | 上位19% |
| 説明力 | 4.7 | 102 / 498 | 上位20% |
| 他者の反応の理解 | 4.5 | 44 / 498 | 上位9% |
| 指導 | 4.4 | 76 / 498 | 上位15% |
| 他者との調整 | 4.3 | 90 / 498 | 上位18% |
| 読解力 | 4.2 | 171 / 498 | 上位34% |
| 文章力 | 4.2 | 140 / 498 | 上位28% |
| 対人援助サービス | 4.2 | 43 / 498 | 上位9% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.1 | 71 / 498 | 上位14% |
| 継続的観察と評価 | 4.1 | 78 / 498 | 上位16% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.6 | 5 / 508 | 上位1% |
| セラピーとカウンセリング | 3.7 | 7 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 2.8 | 27 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.8 | 88 / 508 | 上位17% |
| 教育訓練 | 2.5 | 35 / 508 | 上位7% |
| 生物学 | 2.2 | 36 / 508 | 上位7% |
| コミュニケーションとメディア | 1.9 | 106 / 508 | 上位21% |
| 社会学 | 1.9 | 56 / 508 | 上位11% |
| 事務処理 | 1.8 | 254 / 508 | 上位50% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.5 | 267 / 508 | 上位53% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.6 | 77 / 426 | 上位18% |
| 発話表現 | 3.4 | 108 / 426 | 上位25% |
| 発話理解 | 3.3 | 89 / 426 | 上位21% |
| 筋力 | 3.3 | 16 / 426 | 上位4% |
| 平衡感覚 | 3.3 | 8 / 426 | 上位2% |
| 持久力(スタミナ) | 3.2 | 26 / 426 | 上位6% |
| 記述表現 | 3.2 | 134 / 426 | 上位31% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.2 | 41 / 426 | 上位10% |
| 記述理解 | 3.1 | 127 / 426 | 上位30% |
| 腕と手の安定 | 3.1 | 30 / 426 | 上位7% |
仕事内容
- 障害のある人の身体機能の回復や維持のために、医師や医療スタッフと協力して運動療法や理学療法を行い運動についての指導をする。
- 患者の筋力、運動能力、知覚、呼吸・循環器系統の能力を検査し、評価する。
- 医師の処方や患者の状況、診療記録を検討し、必要な療法を定める。
- 患者のデータにもとづき、治療プログラムを作成する。
- 身体機能を維持・改善するため、患者に筋肉の運動をさせる。
- 身体機能を向上させるために患者にマッサージをする。
- 身体機能を改善するために、器具や装置などを操作する。
- 牽引や矯正の器具を使ったり、患者の体の痛みや変形を軽減するため電気刺激や温熱の理学療法をする。
- 疼痛を消失させるため、患者に関節内運動をさせる。
- 患者の早期機能回復のため、離床訓練を実施する。
- 松葉杖、杖、義肢など補助器具を使用した身体活動について指導する。
- 患者および家族に対し、家庭でのリハビリ方法を指導する。
- 転倒・疾病、フレイルや介護を予防するため、体操などの運動指導を行う。
- 内部疾患に伴う二次障害や再発を予防するための指導をする。
- 患者の居宅を訪問し、助言や指導をする。
- 家屋調査を実施し、福祉用具の利用や住宅改修について助言する。
- 看護師や介護福祉士に、介助方法を指導する。
- 矯正器具を評価・調節・装着し、リハビリ担当医や器具製作者に改善案を提出する。
- カンファレンスやサービス担当者会議に参加する。
- 運動療法の効果を評価し、目標と方法の調整をするために他の医療関係者と情報交換する。
- 地域住民や他施設と連携し、情報を共有する。
- 患者の理学療法診療録に処置、反応、改善状況を記録し、情報を管理する。
- 部署内の業務や目標を管理する。
なるには
理学療法士として必要な知識と技能を養成校で3年以上修得し、国家試験に合格して免許を取得することが必要である。 養成校の教育内容は、基礎教養科目、解剖学、生理学、運動学、病理学などの基礎医学、臨床医学や社会福祉学、地域リハビリテーション、病院やリハビリテーションセンターでの臨床実習を含む理学療法などからなる。なお、作業療法士の資格を有している場合は、養成校で2年以上学ぶことで理学療法士の受験資格を得る。 入職経路としては、卒業した養成校からの紹介や、専門誌などの求人広告、リハビリテーション関係者からの情報等がある。 理学療法士は、専門領域の知識や技術のほか、評価や療法運動を行うとき、正しい場所に適切に力を加えたり、患者の姿勢のバランスを保持したり、移動の時に介助することができるよう、相応な体力と繊細な神経が必要である。 また、障害のある人々やその家族に療法の意味を説明し、身体的自立を援助するためにクライントの気持ちを受容した上で説得することも求められる。 専門能力の向上を図るために、各職場での研修の他に、日本理学療法士協会などの主催する学会や各種研修会などの機会も設けられている。また、同協会の認定資格として認定理学療法士(基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法等7つの専門分野のうち1つ以上の専門分野に登録し、専門的臨床技能の維持や職能面における理学療法の技術などを高めていくことを目的とする)、専門理学療法士(7つの専門分野のうち1つ以上の専門分野に登録し、研究能力を高めることを目的とする)がある。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.6 |
| 専門学校卒 | 0.6 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 博士課程卒 | 0.0 |
| 高卒 | 0.0 |
関連する資格
- 理学療法士
- 作業療法士
- 認定理学療法士
- 専門理学療法士
給料
賃金構造基本統計調査では「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には4の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 300.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 714.4千円 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 平均勤続年数 | 7.4年 |
| 労働者数 | 25,569人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤282.8千円
- ≤293.3千円
- ≤303.3千円
- ≤314.2千円
- ≤325.5千円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
主な職場は病院やリハビリテーションセンター、障害者福祉センター、障害児通所・入園施設、保健福祉センター、老人保健施設、高齢者介護施設などである。また、プロスポーツチームに所属している理学療法士もいる。運動の指導は施設内の運動療法室や日常生活動作室で行うことが多い。また、物理療法や水治療法などを行う際には、機械器具を操作する療法も行う。 直近の国家試験合格者は年1万1373人(2025年2月時点*1)である。就業者のうち女性は約4割程度(2025年3月時点*2)となっている。 原則として、賃金・労働時間・休日・休暇などの労働条件は、勤務先の病院・施設などで働く他の医療技術者と同様の水準である。労働時間は昼間勤務がほとんどであるが、病院・施設によっては月1~2回の宿直がある場合もある。 高齢化の進展や障害の重度化などにより、リハビリテーションの重要性が高まっており、理学療法士の数も増加傾向にあるが、依然として人材が不足している。 *1 厚生労働省、第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について *2 統計情報 公益社団法人 日本理学療法士協会
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 作業療法士(OT)近さ 0.901
- 助産師近さ 0.845
- 言語聴覚士近さ 0.786
- 老人福祉施設生活相談員近さ 0.771
- 看護師近さ 0.755
- 外科医近さ 0.742
- 特別支援学校教員、特別支援学級教員近さ 0.734
- 小児科医近さ 0.733
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)