どんな職業か
臨床心理に関する専門知識を活かし、カウンセリング等により、心や対人関係などの悩みを抱えた人への支援を行う。 心理的なサポートへのニーズは高まる傾向にあり、カウンセラーの活躍分野は医療、福祉、教育、企業、地域コミュニティーなど広がってきている。ここでは、主に病院、クリニック等医療機関や地方自治体の精神保健福祉センター、児童相談所等に勤務するカウンセラーについて記述する*。 医療機関では精神科医の指示により、クライアントに対し専門的技法を用いてカウンセリングを行う。カウンセリングでは対話を通してクライアントとの信頼関係を築き、クライアント自身が問題を整理し問題解決に近づくとともに、症状の緩和を促す心理的な支援を行う。心理検査等を行う場合もある。医師、看護師等他の医療スタッフともクライアントについて情報共有を行う。 地方自治体の精神保健福祉センターなどでは地域住民の相談に対応するが、本人のみならず家族等の相談に応じる場合もある。児童相談所などでは、虐待や家庭内不和・暴力から児童・子供を保護し心理面のケアを行う場合もある。 メンタルクリニックの心理カウンセラーの仕事の例でみると、当日のカウンセリングの予約状況等を確認し、必要に応じ、医師等とクライアントの状況等について情報共有の打合せを行う。メールや電話で担当するクライアントからの相談等があれば対応する。面談予約のクライアントには、事前に前回までの状況を面談記録等で確認の上、相談室で決まった時間のカウンセリングを行う。カウンセリングが終了すると面談記録を作成する。記録を整理し、クライアントの状況の見立てを行い医師等と今後のカウンセリングの進め方等を検討する。一日に複数のクライアントの面談を実施することが多い。翌日の準備や必要な事務仕事等も行う。 *「スクールカウンセラー」「キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタント」についてはそれぞれの職業解説を参照のこと。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 6.0 | 10 / 498 | 上位2% |
| 他者の反応の理解 | 5.6 | 6 / 498 | 上位1% |
| 説明力 | 5.2 | 32 / 498 | 上位6% |
| 文章力 | 5.0 | 44 / 498 | 上位9% |
| 対人援助サービス | 4.9 | 12 / 498 | 上位2% |
| 読解力 | 4.7 | 95 / 498 | 上位19% |
| 他者との調整 | 4.4 | 70 / 498 | 上位14% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.3 | 54 / 498 | 上位11% |
| 継続的観察と評価 | 4.3 | 52 / 498 | 上位10% |
| 説得 | 4.3 | 63 / 498 | 上位13% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| セラピーとカウンセリング | 4.6 | 3 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 4.4 | 3 / 508 | 上位1% |
| 医学・歯学 | 3.7 | 28 / 508 | 上位6% |
| 社会学 | 3.6 | 3 / 508 | 上位1% |
| 教育訓練 | 3.2 | 8 / 508 | 上位2% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.8 | 46 / 508 | 上位9% |
| 哲学・宗教学 | 2.6 | 1 / 508 | 上位1% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.4 | 166 / 508 | 上位33% |
| 公衆安全・危機管理 | 2.2 | 19 / 508 | 上位4% |
| コミュニケーションとメディア | 2.1 | 66 / 508 | 上位13% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話表現 | 3.9 | 12 / 426 | 上位3% |
| 発話理解 | 3.8 | 17 / 426 | 上位4% |
| トラブルの察知 | 3.8 | 35 / 426 | 上位8% |
| 記述表現 | 3.6 | 44 / 426 | 上位10% |
| 記述理解 | 3.5 | 44 / 426 | 上位10% |
| 帰納的推論 | 3.4 | 23 / 426 | 上位5% |
| 演繹的推論 | 3.4 | 30 / 426 | 上位7% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.3 | 26 / 426 | 上位6% |
| マルチタスク | 3.2 | 37 / 426 | 上位9% |
| 発話明瞭性 | 3.2 | 11 / 426 | 上位3% |
仕事内容
- 臨床心理に関する専門知識を活かし、カウンセリング等により、心や対人関係などの悩みを抱えた人への支援を行う。
- 患者にカウンセリングを行う前に過去の面談記録等を確認する。
- 医者の指示で専門的技法を用いて患者にカウンセリングを行う。
- 患者に心理検査等を行う。
- 心理検査の結果を医師や患者、その家族に報告する。
- 医師、看護師等の医療スタッフと患者について情報共有する。
- 面談記録を作成する。
- カウンセリングの内容を踏まえ患者の状況について見立てを行う。
- 医師等と今後のカウンセリングの進め方等について検討する。
- メール、電話等での患者からの相談等に対応する。
- クライアントの家族等の相談に応じる。
- 虐待、家庭内不和・暴力を受けた児童・子どもの心理面のケアを行う。
- 集団療法を実施する。
- 公的機関や学校、他職種等と連携する。
- 学校の教職員や外部機関へコンサルテーションを行う。
- 自傷他害のリスクに対応する。
- 発達障害者への心理アセスメントと支援を行う。
- 発達障害者やその家族にカウンセリングを行う。
- 患者の就労を支援する。
- 治療やリハビリに継続的に取り組む(デイケア)。
- 不登校児童やその家族を支援する。
- 患者の社会生活技能訓練を行う。
- 児童に学習指導をする。
- 認知症患者やその家族を支援する。
- 刑事裁判の心理鑑定を行う。
なるには
カウンセリングに関連する資格には、臨床心理士、公認心理師などがあり、この仕事に従事している者はいずれかの資格を保有している場合がほとんどである。学歴面では大卒・大学院卒の割合が高く、専攻は心理学系学部、学科の卒業者が多い。 臨床心理士は、指定大学院を修了した者でなければ受験資格が与えられない。公認心理師は、2018年に試験が開始された国家資格である。試験にはいくつかの受験区分がある。その他医療福祉分野では精神保健福祉士(PSW)が相談に対応する場合もある。 入職後は、職場でのOJTで経験を積む場合が多いが、カウンセリングのスキルの習得に際しては、先輩カウンセラーからのSVを受ける場合もある。カウンセラーとして一人前と認められるには数年の臨床経験が必要とされている。臨床経験を積んでフリーランスや独立開業する場合もある。 心理カウンセラーには、コミュニケーション能力のほかクライアントとのラポールを形成するスキル(相手の心を開かせ良好な人間関係を構築するスキル)など心理面からのアプローチ技術に加えて、継続的にクライアントに関わることができる粘り強さが求められる。面接記録等を作成する事務処理能力も必要である。また、カウンセラーには、厳重な守秘義務が課されており、個人情報保護や倫理規定の遵守などコンプライアンスに関わる高い見識も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.6 |
| 大卒 | 0.4 |
| 高卒 | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| わからない | 0.0 |
関連する資格
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
給料
賃金構造基本統計調査では「保健師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 312.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 755.7千円 |
| 平均年齢 | 38.6歳 |
| 平均勤続年数 | 6.5年 |
| 労働者数 | 1,381人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤281.7千円
- ≤301.3千円
- ≤323.6千円
- ≤362.8千円
- ≤421.4千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は、精神病院、総合病院の心療内科、メンタルクリニック、地方自治体の精神保健福祉センター、児童相談所などである。職場は全国に広がっている。 就業者は、女性が多く年齢層は幅広い。 雇用形態は、病院に所属している臨床心理士であるカウンセラーは常勤職員もいるが、非常勤職員等の場合も多い。複数の職場を掛け持ちしている場合もある。 賃金は、常勤職員の場合は月給制がほとんどだが、非常勤職員では時給制、日給制が一般的であり、収入に関しては個人差が大きい。勤務形態は、クライアントが利用しやすいように、職場によっては夜間勤務や土日勤務もある。 近年は、電話のみならずインターネットを利用したカウンセリングなど手法が多様化してきている。また、日本にいる外国人の増加等により外国語でのカウンセリングのニーズもある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- スクールカウンセラー近さ 0.899
- 法務技官(心理)(矯正心理専門職)近さ 0.862
- 家庭裁判所調査官近さ 0.840
- 保健師近さ 0.816
- 児童相談所相談員近さ 0.801
- 医療ソーシャルワーカー近さ 0.797
- 言語聴覚士近さ 0.793
- 介護支援専門員/ケアマネジャー近さ 0.760
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)