どんな職業か
統合失調症、うつ病、ストレス障害、不眠症、拒食症、自閉症、認知症、アルコールや薬物の依存症などの治療を行う。 診療所やクリニックの精神科医の場合は、まず紹介状や問診票などで患者の状況を把握し、次に患者と話し合って悩みを聞き、相談にのる。食欲や睡眠の状態などの聞き取りや会話などから患者の調子や情報をくみ取る。心理検査などを用いて、患者の状態を明らかにする。認知行動療法、行動療法、認知療法など、患者に合わせた心理療法を組み合わせて治療を行う。薬を用いた薬物療法も行う。会社や学校を休む必要がある場合には、診断書を書くこともある。 病院の精神科医の場合には、入院の必要な重度の患者の治療にあたることが多い。薬物を用いた治療を主として、さまざまな心理療法を用いた治療を行う。緊急の場合には、患者の意思に関わらず入院治療することもある。総合病院では、内科や外科など他診療科の医師から、患者の精神面の問題について相談を受け(コンサルテーション)、診察を行う場合もある。 看護師、カウンセラー、精神保健福祉士、地域の社会福祉関係者などと連携し、患者の家族とも協力をしながら、患者の治療を行う。 心身症や自律神経失調症の患者の場合には、内科など他の診療科の医師とも協力しながら治療を進める。 他にも、企業の産業医として、従業員の健康相談・保健指導の実施や職場巡視などを行う場合もある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 医療機器(聴診器、注射器、CT、MRI等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.2 | 59 / 498 | 上位12% |
| 他者の反応の理解 | 5.2 | 13 / 498 | 上位3% |
| 説明力 | 4.8 | 85 / 498 | 上位17% |
| 文章力 | 4.7 | 73 / 498 | 上位15% |
| 読解力 | 4.7 | 98 / 498 | 上位20% |
| 対人援助サービス | 4.6 | 23 / 498 | 上位5% |
| 説得 | 4.6 | 33 / 498 | 上位7% |
| 指導 | 4.4 | 78 / 498 | 上位16% |
| 他者との調整 | 4.4 | 72 / 498 | 上位14% |
| 継続的観察と評価 | 4.3 | 53 / 498 | 上位11% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 3.2 | 37 / 508 | 上位7% |
| セラピーとカウンセリング | 3.0 | 22 / 508 | 上位4% |
| 心理学 | 2.9 | 23 / 508 | 上位5% |
| 社会学 | 2.4 | 20 / 508 | 上位4% |
| 教育訓練 | 2.2 | 47 / 508 | 上位9% |
| 公衆安全・危機管理 | 2.1 | 28 / 508 | 上位6% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.1 | 215 / 508 | 上位42% |
| 法律学、政治学 | 2.0 | 63 / 508 | 上位12% |
| 生物学 | 2.0 | 41 / 508 | 上位8% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.0 | 122 / 508 | 上位24% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.6 | 87 / 426 | 上位20% |
| 発話理解 | 3.5 | 37 / 426 | 上位9% |
| 発話表現 | 3.5 | 54 / 426 | 上位13% |
| 記述理解 | 3.4 | 71 / 426 | 上位17% |
| 記述表現 | 3.4 | 80 / 426 | 上位19% |
| 帰納的推論 | 3.3 | 49 / 426 | 上位12% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.2 | 39 / 426 | 上位9% |
| 演繹的推論 | 3.2 | 70 / 426 | 上位16% |
| 記憶力 | 3.2 | 48 / 426 | 上位11% |
| カテゴライズ | 3.1 | 34 / 426 | 上位8% |
仕事内容
- 患者や家族から症状を聞き、投薬や作業療法などで精神疾患の治療をする。
- 患者や家族に問診やテストを行い、病名を診断する。
- 診断結果について患者や家族に説明する。
- 処方せんを作成し、服薬の注意事項を患者に説明する。
- 看護師に投与する医薬品や治療法についての指示を与える。
- 作業療法や心理療法の実施について医療スタッフと協議し、治療方針を定める。
- 患者や家族に対するカウンセリングをする。
- 診察ごとに内容をカルテに記入し、診断書など必要な書類を作成する。
- 地域の精神保健行政や社会福祉施設と連携し、患者のリハビリテーションや社会復帰を援助する。
- 企業や学校などでメンタルヘルスに関する相談を受ける。
- 精神鑑定を行う。
- 医師やその他専門職、学生への指導をする。
- 症例検討会や研修に参加し、医療技術を高める。
- 書籍や論文から新たな医療情報を収集する。
- 学会や雑誌で研究発表する。
なるには
精神科医として仕事をするには、医師国家試験に合格して医師免許を取得することが必須である。まず、大学医学部で6年間にわたって専門的な知識を身につけ、同時に実習も行う。大学の卒業試験に合格すると国家試験を受験することができる。国家試験に合格すると、医師免許が与えられる。更に大学病院や大病院などの臨床研修病院で研修医として2年間の臨床研修を積み、実際の患者を診察しながら知識を身につける。この研修終了後に精神科に所属して精神科医になる。所定の要件を満たせば専門医に認定される制度がある。 臨床研修後には、病院などに勤務医として勤め、多くの経験を積んでいく。勤務先の病院で診療科長になるケースや、独立して開業医となるケースがある。大学で研究を続けながら講師や教授になることもある。 専門知識に加えて、様々な表現・行動をとる患者に接して診療を行うため、冷静な判断力、患者を否定しない温かな対応が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.5 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.3 |
| 博士課程卒 | 0.2 |
| 高卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
関連する資格
- 医師
給料
賃金構造基本統計調査では「医師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 1,090.7千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,276.3千円 |
| 平均年齢 | 46.1歳 |
| 平均勤続年数 | 8.4年 |
| 労働者数 | 12,726人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤974.2千円
- ≤1,053.2千円
- ≤1,109.5千円
- ≤1,185.9千円
- ≤1,453.6千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
医療機関等の勤務医とクリニックを開業する開業医がいる。精神科医の人数は16,817人であり、女性医師は20%程度である。(*1)。 勤務時間などの労働条件は、勤務する医療機関の体制や診療時間などにより様々である。 入院患者がいる大きな病院の勤務医の場合は、交代制で勤務を行う。入院患者の急変や救急患者の受け入れに備えて夜間や休診日の当番なども行う。一般的に賃金水準は高い。 開業医の場合は、各医院で定めた診療時間にあわせて勤務する。診療時間は9時から18時ごろまでが一般的である。都市部では、社会人の帰宅時間にあわせて夜間や土曜日に診療をする場合もある。診療時間の前に準備を行ったり、診療時間後にカルテの整理を行うため、就業時間は診療時間よりも長くなる。急患の場合には、診療時間外でも診察を行う。 急激な社会の変化によるストレスなどで、日々の生活に精神的な疲労を感じる人が増加している。メンタルヘルスケアへの取組みが広がり、産業医として精神科医を求める職場も増えており、精神科医は不足している。 *1 令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況から 診療科別にみた医師数
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.744
- スクールカウンセラー近さ 0.716
- 高等学校教員近さ 0.709
- 児童相談所相談員近さ 0.687
- 産婦人科医近さ 0.650
- 小児科医近さ 0.625
- 養護教諭近さ 0.609
- 言語聴覚士近さ 0.608
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)